株式銘柄研究:東北新社(東証スタンダード 銘柄コード2329)

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東北新社

チャート

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【東北新社 2年週足】
・現在価格:490.0円(前日比△9.0円)
・600円から下落し、500円になり、決算時点で490円になった。

 

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【東北新社 10年月足】
yahoo!finance|最新株価情報|東北新社

 

企業情報

・決算:3月
・設立:1961年4月
・上場:2002年10月
・特色:CM制作や外国映画、ゲームなどの日本語版制作で首位級。映画の制作・配給も。四半期配当。グラニフ子会社化で大幅増収。コンテンツ制作は音響字幕制作がゲーム向け等に需要拡大。ただ、広告制作はCMの受注堅調だが、前期の展示会特需が剥落。営業益横ばい圏。土地売却特益減る。アパレルデザインのグラニフを177億円で子会社化、映像含めIPでシナジー効果狙う。大株主の3Dとは専門領域以外への進出で見解異なり、膠着状態。
・2025年12月8日から2026年1月9日にかけて、100名募集をしていた早期退職募集に対して42名の応募があった。現時点で、従業員数(単独)は705名。
東北新社公式サイト

 

主な沿革

・1961年 創業者・植村伴次郎が東北新社設立
・1962年 日本語版吹替事業、テレビ局への外国映画・ドラマの配給事業を開始
・1963年 テレビ番組制作業務を開始
・1964年 CM制作事業を開始
・1966年 人形特撮テレビシリーズ「サンダーバード」の配給、ライセンス業務を開始
・1995年 木村酒造を傘下に加える ファミリー劇場開局
・2002年 東京証券取引所スタンダード市場(当時 ジャスダック市場)に上場
・2009年 囲碁将棋チャンネル(当時 サテライトカルチャージャパン)の株式を取得
・2024年 スターチャンネル売却、株式3分割
・2025年 名古屋証券取引所メイン市場に上場
・2026年 4月30日、グラニフの株式を取得

 

買収提案|シンガポールのアクティビストファンド 3D

・2024年7月24日、シンガポールのアクティビストファンドである3D Investment Partnersが、映像制作の事業等を手掛ける東北新社(証券コード:2329)に対して買収提案を行っていることが東北新社により公表された。
3Dが東北新社に買収提案を行う理由とは?

 

グラニフ子会社化

グラニフ

グラニフは、前身となるグラフィスが2001年の設立。その後、2020年に丸の内キャピタルが買収し、元ベイクルーズの幹部でEC事業成功の立役者だった村田昭彦氏を社長に招聘。
・村田社長はTシャツ中心だった商品構成を、アパレル全般や生活雑貨、ホビー、トイなどに拡大し、店舗の大型化も進めていた。また、独自キャラクターIPである「ビューティフルシャドー」「イカク」「ラムチョップ」などの拡大にも注力してきた。
・2026年3月27日、グラフィックTシャツのグラニフを4月30日付で完全子会社化すると発表した。グラニフのオーナーである三菱商事系のファンド、丸の内キャピタルが所有するグラニフ株の全てを買い取る。買収金額は非公表。
・東北新社は、「宇宙戦艦ヤマト」「牙狼〈GARO〉」などの豊富なIPを保有しており、グラフィックや多彩なIPの商品化で多くの実績を持つグラニフを傘下に収めることで収益の多角化を図る。

IP(知的財産)

・2025年度の国内キャラクタービジネス市場規模(商品化権・版権)は約2兆8,492億円(前年度比102.6%)で、安定的な成長が続いている。
・世界のライセンス市場は約3,696億ドル(約54兆円)規模。日本は、米国、英国に次ぐ世界第3位のライセンス市場を持っている。
・日本のコンテンツ輸出は2023年に約5.8兆円を記録し、半導体・鉄鋼の輸出額を超えた。政府も「クールジャパン戦略」を強化し、2033年までに50兆円規模の経済効果創出を目指している。
・IP市場が伸びている、といえる。

 

指標

・単位:100株
・PER(株価収益率):9.68倍
・PBR(株価純資産倍率):0.79倍
・配当利回り:5.52%
・配当金:6.77円(1期前6.76円、2期前6.76円) 年4回

 

決算抜粋|2027年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

・2026年4月30日に連結子会社化した株式会社グラニフにつきましては、現在、企業結合に関する会計基準に基づく取得原価の配分手続きを完了しておらず、無形資産及びのれんの金額並びに償却期間が確定しておりません。これにより業績予想が変動する可能性があるため、現時点においては2027年3月期の連結業績予想は公表しておりませんが、第2四半期までに影響額を確定させ、確定次第速やかに開示いたします。
・なお、現時点で入手可能な情報に基づく暫定的な試算として、株式会社グラニフの買収に伴い発生する無形資産及びのれんの償却額は、年間16億円程度になるものと見込んでおります。ただし、当該金額は取得原価の配分手続き完了前の暫定的な試算であり、今後、取得原価の配分手続きの完了に伴い無形資産の評価額や償却期間が確定することにより変動する可能性があります。特に、償却期間の前提が1年変動した場合、年間の償却負担は1億円程度変動するものと想定しております。

 

損益計算書

・最近の財務リリースで、総収益 142億6100万円、純利益 4億1800万円を発表した。前年同期比で、総収益は0.8%のプラス、純利益は93.7%縮小した。収益の増加と純利益の減少は、当期の複雑な財務状況を示唆している。
・2026年1-3月期に総資産が前年同期比で1,034億5700万円から1,010億2600万円に低下し、著しく減少した。総資産利益率(ROA)も2.42%から1.35%へと落ち込んだ。東北新社のROAは業界平均の5.17%を下回っており、経営面での改善が必要である。

 

 

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株主

株主リスト

・植村久子:20.79% 29,148,984株
・3D・WHオポチュニティ・マスターOFC:18.35% 25,727,800株
・植村綾:15.71% 22,028,133株
・from B:7.98% 10,992,000株
・NAMC:7.98% 10,992,000株
・中略
・清原達郎(2026年3月):1.57% 2,199,500株

 

創業者一族

・創業者植村伴次郎氏の娘にあたる植村久子氏、植村綾氏、二宮五月氏(資産管理会社のfrom B及びNAMC)は大株主で過半数の株式を保有しているだが、東北新社の役員ではない。現時点では、支配株主に株式売却の意向はない。
・伴次郎氏の甥にあたる小坂恵一氏が社長、娘婿にあたる二宮清隆氏が取締役になっているが、株式の保有比率は低く、両名とも70歳近い年齢である。
・将来に渡って、創業一族で経営権を握る考えはない、と推察できる。

 

過去、上場維持基準の充足ができない状態

・過去、流通株式比率の点で上場維持基準を充足できない状態。
・流通株式比率を高めるために支配株主が売り出すと、買収リスクが高まる。
・2025年3月22日、東北新社は東証スタンダード市場の上場維持基準について、2025年3月末時点で適合していることを確認したと発表した。2024年3月末時点では流通株式比率を25%以上とする基準が未達だった。2024年7月1日付で株式を3分割し、2025年3月には自己株式の処分も実施した。

 

3D・WHオポチュニティ・マスターOFC

3Dインベストメント・パートナーズ(3D Investment Partners)は、シンガポールを拠点とするアクティビストで、日本企業を主な投資対象とするバリュー投資戦略を展開している。 企業の本質的価値に注目し、エンゲージメントを通じた企業価値の向上を目指す運用方針を掲げている。CEO兼CIOの長谷川寛家は、2015年に3Dを設立した。同氏はシンガポールのマルチストラテジーファンドで勤務していた。
・3Dの提案内容に対して、東北新社は否定的な立場にある。広告クリエイティブ事業の強化は現在の大手広告代理店との取引と競合になる。海外系動画配信サービス向けの映画・ドラマ制作市場への参入は、販売ルートが構築できていない。
・買付け価格「600 円~650円」が引き上げられた場合、支配株主が株式売却を検討する可能性もないわけでないため、3Dに対してデュー・ディリジェンス(M&Aや投資の前に対象企業の実態やリスクを詳しく調べる事前調査プロセス)の機会を提供した。
・2024年9月24日、東北新社は守秘義務誓約書を3D側が変更なく差し入れることを条件に、3Dによるデュー・ディリジェンスを受け入れる方針だった。3D側が同誓約書の内容の変更を要請する立場を変えなかったため、協議、交渉を打ち切ることを決めた。株価にプレミアムを上乗せする形でのTOB(株式公開買い付け)への期待が後退する形となり、売りがかさみ、株価486円(前日比△4円)に下落。
・3Dが新たな提案をするかは不明。支配株主に株式売却の意向はないため、3Dが計画する50.1%以上の買付けができない。
・3Dは、撤退か、大株主として経営改革に関与していくかの選択に迫られている。
・東北新社は、上場維持で3Dの要求を跳ね返していく模様。

 

清原達郎

・伝説のファンドマネジャー清原達郎(2025年3月):1.98% 2,732,000株…ここから約50万株売った模様。
バフェットコード|清原 達郎の保有銘柄…東北新社だけでなく保有株式を手放している。
・清原達郎の参考記事:投資:清原達郎「わが投資術 市場は誰に微笑むか」
【参考:バフェットコード|東北新社【2329】の大株主

 

 

グラニフTシャツ

 

 

株式動向|感想

・配当利回り:5.52%の高配当で、年4回支払われるのは魅力。
・アクティビスト(物言う株主)である3Dが付いているのは株価上昇要因だが、東北新社と良好な関係でなく、3Dの意向は通っていない。3Dは支配株主から株を調達できず、撤退の可能性がある。プレミアム価格(TOB価格)による株価上昇は見込めず、失望売りにつながりやすい。ただし、高配当や自社株買いが株価急落の支えにはなる。
・グラニフを買収したことがいいのか悪いのか、不明。
・伝説のファンドマネジャー清原達郎氏は株を売っている。
・総資産利益率(ROA):1.35%(前期2.42%)で、業界平均の5.17%を下まわっている。
・株価純資産倍率(PBR):0.79倍で、株価が安すぎて時価総額が企業の純資産よりも低い。
・自己資本比率:85.00%で、情報通信業の平均58.6%よりも高く、キャッシュリッチ。
・将来的な成長を見込んで買うということはない。キャッシュリッチに期待し、そろそろ株価は下がり止めで、支配株主が多く大きな急落は無いと考えて、高配当を見込んで中規模の買いか。

 

 

東北新社の参考記事

3Dが東北新社に買収提案を行う理由とは?

東北新社が急反落、海外投資会社との協議・交渉打ち切り

3Dインベストメント、株式会社東北新社との守秘義務誓約書に関する協議・交渉経緯についての補足説明を実施

【再編期待】成長性60点:東北新社(2329)!優待廃止とアクティビストの狙い

 

 

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【2026年8月18日現在。引用:楽天証券。投資は自己責任で。】