為替介入
為替介入とは

・為替介入とは、通貨当局が為替相場に影響を与えるために、外国為替市場で通貨間の売買を行うこと。
・正式名称は「外国為替平衡操作」という。
・為替介入の目的は、為替相場の急激な変動を抑え、その安定化を図るため。
・日本において、為替介入は財務大臣の権限において実施する。財務大臣が指示して、日本銀行が外国為替市場で通貨売買を行う。
・財務省所管の外国為替資金特別会計(外為特会)の資金が為替介入に使わる。
・日本銀行における外国為替市場介入事務の概要
・参加者がいない時間帯で為替介入すると効果が高い。(例)夜間、早朝、大型連休、週末直前、金曜日。
口先介入

・「口先介入」とは、通貨売買は行わずに言葉だけで外国為替相場の動きを変えようとすること。実際の通貨売買を行う前に市場の過熱した動きを抑えて、為替レートの安定化を図ることが目的。
・代表的な口先介入レベル
1 低:「動向を注視」 口先介入前段階
2 中:「急激な変動は好ましくない」 牽制・警戒強化
3 高:「あらゆる手段を排除せず」等 口先介入本格化・介入接近
4 最高:「必要なら断固たる措置」等 近く実弾介入の可能性大
レートチェック

・レートチェックとは、中央銀行が主要な金融機関に為替相場の水準を照会すること。
・通貨当局が相場の急激な変動を抑制する目的で行う為替介入に向けた準備として行われることが多い。政府高官らが記者会見などで懸念を表明する「口先介入」と比べ、市場への牽制効果が高い。
・レートチェックが入ると、市場では介入警戒感が高まり、持ち高を調整する動きが広がりやすくなる。市場参加者は通貨当局の「防衛ライン」を探るため、照会が入った際の相場水準に注目している。
IMFの3営業日基準
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IMFの基準
・為替介入は例外的に行う
・過去6か月で最大3回
・1回の介入は最大3営業日
IMFの基準が守られるとは限らない
・IMFの3営業日基準によれば、8月3日の介入で3回目で終了になるが、罰則無しのため、介入不可能ではない。追加介入の可能性は残る。
為替介入の歴史
1998年 アジア通貨危機
・1997年に、タイで発生した通貨危機で、円安の進行が一時的に抑制された。
・1998年に、日米共同の為替介入が実施された。
・その後、外的要因(アメリカの長期金利低下など)によって反転するまで円安基調が継続した。
2010年 リーマンショック後の世界的な金融危機
・2008年のリーマンショック後、世界的な金融危機が広がる中、リスク回避のために円への買いが集中して、急激な円高が進んだ。
・2010年に、投機的な円買いの抑制、輸出競争力の維持と景気の下支えを目的として、日米共同の為替介入が実施された。
・その後、一時的には円安になったが、海外経済の不透明感が強く、再び円高基調に戻った。
・2011年3月18日に、東日本大震災での円高抑制のため、G7による協調為替介入が実施された。米国は10億ドル規模の為替介入だった。
・2011年10月31日に、財務省は8兆722億円の介入後、11月1~4日で合計約1兆195億円の覆面介入が実施された。
2022年 日本とアメリカの金利差拡大
・アメリカはインフレ抑制のため長期的に高金利を維持する見通しが強かったが、日本の政策金利は依然として低いままであったため、円安が進んだ。
・投機的な円売りが急増し、7月の介為替介入後は円高方向に進んだが、9月中旬から再び円安基調に戻った。
・9月22日:約2.8兆円 145円台→140円台
・10月21日:約5.6兆円 151.90円→144円台
・10月24日:約0.73兆円 149円台→145円台
・9兆円超の介入額
2024年 アメリカの高金利の長期化
・4月29日、5月2日:約9.8兆円 160円台→151円台
・7月11日、7月12日:約5.5兆円 161円台→157円台
・9月に139円台から再び円安基調に戻り、12月に157円台になった。
・15兆円超の介入額
2026年 急激な円安と日本のインフレ 資源や原材料費の高騰

【ベッセント米財務長官は、「円買いメモ」】
・4月30日、日本財務省が為替介入 160円台→155円台
・7月30日、日本財務省が為替介入 163円台→157円台
・8月3日、日米共同の為替介入 157円台→155円台。片山日本財務大臣が記者発表。米国はユーロを売って円を買った。ベッセント米財務長官は、「円買いメモ」を記者にわざと見せた。
・3日間で推計12兆円の介入額
・8月7日、円安に進み158.421円。
円安のメリット、為替介入による円高のメリット
円安のメリット
・円安の時に、海外で日本製品が売れやすくなり、自動車等の輸出関連企業の業績が上昇する。
・円安の時に、訪日観光客のインバウンド消費が期待できる観光業、宿泊業、小売業等の業績が上昇する。
・円安の時に、海外資産の価値が上がる。
近隣窮乏化
・政府が為替相場に介入し、通貨安に誘導することによって国内産業の国際競争力は増し、輸出が増大する。さらに国内経済においても国産品が競争力を持ち、国内産業が育成される。やがて乗数効果により国民所得は増加し、失業は減少する。その一方で貿易の相手国からすると、通貨高による国際競争力の低下、輸入の増大と輸出の減少、雇用の減少を引き起こすことになる。これを「近隣窮乏化」という。多くの場合、相手国は対抗措置として為替介入を行い、自国通貨を安値に誘導しようとする。
・2020年代に1ドル160円を超える円安が進むと、近隣窮乏化ではなく「自国窮乏化」を招いているとの批判・議論が生じた。エネルギーや食料品の大部分を輸入に頼る日本において、過度な円安は輸入物価を押し上げ、国民の実質賃金を低下させる要因となった。生産拠点の海外移管がすでに進んだため、円安による輸出数量の爆発的な増加には繋がらなかった。そのため、他国の市場を奪う近隣窮乏化の効果は薄く、むしろ国内の購買力を低下させていると指摘がある。
・しかしながら、円安と日経平均は正の相関関係にあり、好況につながっている。
円安と日経平均は正の相関関係
ドル円と日経225の関係

【ドル円 10年チャート、2026年8月5日】

【日経225 10年チャート、2026年8月5日】
・円安と日経平均は正の相関関係にあり、アベノミクスは金利安と円安で好況につながった。
円安好況を止めるな! 金利と為替の正しい考え方
円高のメリット
・円高の時に、輸入で海外から製品を安く仕入れることができるので輸入産業の業績が上昇する。
・円高の時に、エネルギー資源が安くなり、家庭への負担が減少する。
・円高の時に、海外旅行に行きやすくなる。
・円高時に、S&P500等の海外資産を安い価格で買うことができる。同額の円で海外資産を積立てている場合、円高のために多くの海外資産を買うことができる。海外資産のバーゲンセールといえる。
為替介入による円高のメリット
・為替介入を実施するためには、多額の資金が必要になるため、財政負担が増加するといわれている。しかしながら、高いドルを売って安い円を買えば、莫大な為替益が得られている。
・国内企業の輸出入企業の業績への影響を緩和し、経済の安定化を図れる。市場における投機的な動きの抑制にもつながるため、市場の混乱を落ち着かせることもできる。国際的な信用維持にもつながる。
円安の理由
・日本は低金利で、米国は高金利であり、円で借りてドル資産(株や債券等)を買えば利益が出るため、円安が進んだ。
・日本は好況維持のため利上げができず、米国はインフレが大きいため利下げができない。金利差が縮まらないため、円安が進んだ。
・米国や日本を除く世界の方が好況のため、NISAで買う商品がS&P500やオールカントリーの外国資産が多いので、円安が進んだ。
・自動車等の輸出関連企業が円高のデメリットを回避するため、海外現地生産をすることが多くなった。海外資産や、海外現地通貨の給与支払いが増加したため、円安が進んだ。
・イラン戦争で、安全資産のドルを買うため、円安が進んだ。
・イラン戦争によるホラズム海峡封鎖で原油価格が高騰するため、円安が進んだ。
2026年為替介入の明暗
為替介入|4月30日
・4月27日以前、160円台まで円安が進んだ。
・4月27日、159.514円でドル円売り。
・4月30日、片山さつき財務相らが投機的な動きに「最後通告」を出して、口先介入をした。ドルは同日の日中、一時160円後半と1年9カ月ぶりの高値圏まで上昇。同日の夕方、片山財務相が「いよいよ『断固たる措置』を取るタイミングが近づいてきた」、続いて三村淳財務官が「最後の退避勧告」と発信した。ドルは160円を割り込み、155円台半ばまで円高になった。為替介入を実施した。
・同日4月30日、156.635円でドル円買い戻し、利益確定。2.879円の差益となった。【明】
為替介入|7月30日
・7月30日以前、為替介入しても効果がなく、円安が進んだ。「年内170円有り」の声が多く出るようになった。
・6月9日、日本為替介入発言、ドル円は頂上で急な上下動をした。
・同日6月9日、160.185円でドル円売り。
・6月15日、イラン戦闘終結合意へ159円台へ
・同日6月15日、もう円安介入の必要が無いと考え、159.968円でドル円買い戻し、利益確定。0.217円の差益となった。【明】
・6月19日、米イラン戦争再開。
・同日6月19日、為替介入の恐れがあると考え、161.181でドル円売り。
・7月23日、163.218円でドル円買い戻し、損失確定。2.037円の差損となった。円安が進み、マイナススワップが1か月になったため精算した。7月最初に精算すればよかった。【暗】
・同日7月23日、163.218円でドル円買い。米イラン戦争再開、原油高、為替介入があっても、新たに円売りを積み増す好機と受け止める公算の報道があった。為替介入は165円で行うと考えてしまった。頭を冷やして何もしなければよかった。【暗】
・7月30日、日本財務省が為替介入 163円台→157円台
為替介入|8月3日
・8月3日、日米共同の為替介入 157円台→155.3円。片山日本財務大臣が記者発表。米国はユーロを売って円を買った。米国債券市場の暴落、長期金利の上昇、利払い負担の増加を嫌うため、米国は、ドルの価値を下げたくない。ベッセント米財務長官は、「円買いメモ」を記者にわざと見せた。日本は利上げをせず、消費税減税により、円安方向。米国は好景気により利下げをせず、円安方向。追加介入を終了した訳ではない。
・3日間で推計12兆円の介入額
・8月7日、円安に進み158.421円。4.797円の含み差損を抱えている。チャートの切り返し具合によれば、158.90円が上値抵抗線予想。お盆休み週間が始まる前の金曜日、為替介入はあるのか。お盆期間のアノマリーで手仕舞いする投資家が多い。7月米雇用統計の発表に注目が集まるなか、ドルは戻り売りにやや押されて軟調気味に推移。BNPパリバ証券のレポートして、「日銀政策金利の新しい予想として、2026年9月1.25%」とあった。金利が上がると、円高方向に向かう。トランプがイラン戦争を再開したり、止めたりと、迷走中。【暗+迷】
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為替介入の参考記事
・事態が急変しました…ドル円が1998年以来の異常事態!今、私たち個人投資家は何をするべきなのか?【元ゴールドマンサックスが徹底解説】
・IMM通貨先物ポジションの推移チャート…シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の上場商品である「IMM通貨先物」のポジション(建玉)情報のうち、「Non-Commercial」(非商業部門=投機筋)のポジションと対応するFX市場の通貨ペアの値動きの推移をグラフで表示している。
・マルチカレンシーチャート…主要8通貨の通貨の強弱の推移をチャート(グラフ)で表示している。
・レイト相場戦略室【ドル円・USDJPY】
・【速報解説:米国が円安阻止に動いた本当の理由】「ドル離れ」と米国債利回り上昇への危機感/米株暴落を回避せよ/日銀の利上げペースは加速?/円安の正体は構造的な貿易赤字/介入でも円安は終わらない
・【日米協調介入で米が日本に課した条件 日本政府が突然利上げ容認をしていきます】日米協調介入決行=日本は引き換え条件を全て飲みました|原油価格 インデ ドル円相場分析 26年8月4日
・【500万円減った】日米協調為替介入に伴う円高を庶民は喜ぶべき理由3選 〜1ドル155円〜
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【2026年8月7日現在。引用:楽天証券。投資は自己責任で。】








